第40回IGA理事会の参加報告

2006年4月18日

1) 期間:2006年4月3~4日

2) 場所:EREC(欧州再生可能エネルギー評議会)Renewable Energy House(ベルギー・ブリュッセル)

3) 参加者:理事21名(日本からは新妻、内田)、事務局2名、オブザーバー2名

4) 主な議事内容

・世銀GeoFundプログラム
 中東部欧州及び旧ソ連の国における地熱開発を促進するため、IGAは2004年に世銀に地熱技術の技術普及に関する助成金の提案(GeoFundプログラム)を行った。世銀は、最近やっと承認する段階に近づいた。世銀の次回理事会2006年6月で承認の見込み。

・WGC2005の決算
 GeoFundプログラムを想定して支出した経費が確定できないため、決算が遅れている。現時点では約28,000ドルの赤字。

・西太平洋地域支部(Western Pacific Regional Branch)
 ニュージーランドの理事Lawless氏提案による西太平洋地域支部設立を承認。支部の体制・運営計画の詳細について次回理事会で決める。

・WGC2010の準備状況
 IGAのSteering Committeeの設置(Gordon Broomquist委員長、Roland Horne技術プログラム担当、Beata Kepinska教育プログラム担当、Jim Lawless募金担当、Eduardo Iglesias出版担当、James Koenigフェローシップ担当、Mahmut Parlaktunaフェローシップ担当)。
 インドネシア地熱学会(INAGA)はインドネシア大統領にWGC2010について説明した(2005年)。INAGAによるOrganizing Committeeの設置は遅れているが2006年7月までに設置する予定。同時に10万ドルの募金を準備する予定。

・各国の環境規制に関する情報収集
 地熱開発における環境規制(国立公園等)について、各国の法制度や状況について調査することになった。

・次期理事選挙における推薦数
 Affiliated Societyで会員数100名以上、250名以下の場合、2名を推薦できる(IGAJの会員数は108)。推薦時期は2006年11月まで。

・第41回理事会
 RE2006の直前(10月8-9日)を提案した。

5) ブリュッセル近郊の地熱施設巡検
○Renewable Energy House
 ・築後120年のビルを改装し、2005年に地中熱、太陽光発電、バイオマスの設備を追加。
 ・7ヶ月で工事を完了し、2006年3月22日に開所式。
 ・地中熱HPは115m坑井を4本掘削、ダブルチューブ循環、25kW、冷暖房。
 ・太陽光発電は60m2、42kW。バイオマスは80kW。

○Klina病院の地中熱利用設備
 ・坑井2本(抽熱、廃熱)、深度65m、80cm径。
 ・帯水層(砂岩)40m厚、ポンプ深度60m。
 ・20-100 ton/hの循環、1250kW。
 ・COP=5~6(暖房時)、エネルギー貢献3930 GJ/year

○アーヘン工科大学の大深度井掘削(Super C)プロジェクト
 ・2500m井、坑底温度83.5度
 ・EU予算、3億ユーロ、2002-2006
 ・これから同軸熱交換による生産テストを行う予定

○Heerlenマインウォーター・プロジェクト
 ・廃止炭坑の坑道に溜まった地下水を利用するプロジェクト
 ・2本の坑井を掘削中。坑井深度約700m、高精度のコントロール掘削。
 ・地層を崩さないようにするため、泥水を逆循環で掘削。
 ・地下水の温度は約35度、150 ton/hの循環を計画。


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