株式会社 地熱 濱田 眞之
1.我が国では地中熱利用促進にむけて様々な方策が模索されている。
2.先行事例としてのアメリカ・ヨーロッパの行き方を考察する。
3.アメリカ・ヨーロッパを欧米と一括して考えることはせず分けて考える。
4.更にヨーロッパは国毎の特殊事情を考慮にいれて考える。
5.アメリカの事例は以下のように要約できる。
(ア)アメリカの地中熱ヒートポンプ普及促進は社会工学の応用と言うべき面がある。
(イ)1990年初頭頃に地中熱ヒートポンプシステムの戦略が作られた。
(ウ)その背後には石油資本が存在する。
(エ)石油資本を背景にロビー活動による政治への働きかけがある。
(オ)普及促進を押し進めた際、産官学を結ぶ社会工学的な発想のできる人材がいた。
(カ)オレゴン工科大学の系統は当初直接石油資本とは関わりがなかったが、1990年以降の地中熱ヒートポンプの発展の中で、大きな流れに合流した。
6.ヨーロッパの事例は以下のように要約できる。但し、この要因の有無が、国毎の利用状況の違いに現れてきている。
(ア)大学などでの先行的研究の存在
(イ)地質的に均一さによる掘削コストの安さ
(ウ)炭酸ガス排出が少ない暖房システムであることへの関心の高さ
(エ)既存暖房システムへの接続切り替えの容易さ
(オ)助成政策
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