平成19年度地熱学会学術講演会の特別セッション開催
「地中熱利用の事例と技術的課題」コンビーナー 松永 烈((独)産業技術総合研究所)
日時:平成19年11月30日(水) 14:30~15:30
場所:研究交流センター A会場
趣旨:本セッションの前半では、全国各地域で活発に地中熱利用に関わっている企業の方々に最近の開発事例を、単に成功事例としてではなく技術的な問題や苦労を含め紹介して頂く。後半は、紹介頂いた問題などについて広く議論を行い、今後必要な対策や技術開発事項を抽出する。
事例発表およびパネラー:
OS-1「住宅および建築物への地中熱ヒートポンプ導入事例とそれぞれの課題」
OS-2「地中熱利用の事例と技術的課題―東北地方の地中熱利用道路融雪の事例紹介―」
OS-3「場所打ち杭を利用した地中熱交換器の設置上の課題」
OS-4「東海地方における地中熱利用について」
OS-5「地中熱利用ヒートポンプシステムの開発と課題」
パネル討論司会:藤井光(九州大学大学院)
(参考) 学会ニュース記事
■ 地熱学会つくば大会パネル討論「地中熱利用の事例と技術的課題」開催
2007年11月30日に、地中熱専門部会長 松永烈氏がコンビーナーを務めた標記のセッションが開催されました。本セッションは松永氏の開催主旨の説明が行われた後に、九大の藤井光氏を座長として、下記に示した5件の講演とパネルディスカッションが行われました。講演では、活発に地中熱利用に関わっている企業の方々に最近の開発事例を、単に成功事例としてではなく技術的な問題や苦労を含め、15分程度で紹介して頂きました。①「住宅および建築物への地中熱ヒートポンプ導入事例とそれぞれの課題」広松淳氏 ((株)日伸テクノ)、②「地中熱利用の事例と技術的課題―東北地方の地中熱利用道路融雪の事例紹介―」安彦宏人 氏(日本地下水開発(株))、③「場所打ち杭を利用した地中熱交換器の設置上の課題」大島和夫氏(三菱マテリアル資源開発(株))、④「東海地方における地中熱利用について」奥村建夫氏(東邦地水(株))、⑤「地中熱利用ヒートポンプシステムの開発と課題」森山和馬氏(ミサワ環境技術(株))
講演終了後に休憩をはさんで、30分程度のパネルディスカッションを行いました。ここでは、紹介いただいた事例などを基に議論を進めました。例えば、数年前まではお客さんに“地中熱“を説明することさえ難しかったという話から始まり、北海道での地中熱利用が普及してきている状況の説明、地中熱利用の地域的な諸問題の紹介、今後の地中熱利用を進める上での学会(地中熱専門部会)に望む研究内容等々、多岐にわたる議論が行われました。大会会場の使用時間の制限もあり、パネルディスカッションの議論が盛り上がってきたところで、残念ながらセッションを終了することとなってしまいましたが、地中熱利用のさらなる普及に向けて、現場の声を知る貴重な機会となったのではないかと思います。(日本地熱学会地中熱利用専門部会幹事 天満則夫)