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地熱エネルギー入門(翻訳)現状と将来

7. 現状と将来

地下に存在する熱エネルギーは膨大なものです。専門家グループは,高温資源と低温資源に分けて,大陸ごとに地熱ポテンシャルを評価しています (表7) (IGA:国際地熱協会,2001) 。

表7 世界の地熱ポテンシャル (世界地熱協会,2001)
発電用高温資源 直接利用向低温資源
従来技術
電力換算 TWhe/年
従来技術とバイナリー
電力換算 TWhe/年
熱量換算
百万 TJ/年 (最低値)
ヨーロッパ 1,830 3,700 > 370
アジア 2,970 5,900 > 320
アフリカ 1,220 2,400 > 240
北米 1,330 2,700 > 120
中南米 2,800 5,600 > 240
オセアニア 1,050 2,100 > 110
世界計 11,200 22,400 > 1,400

もし,適切に開発利用されるならば,地熱エネルギーはある国のエネルギー需給において,確実に重要な役割を果たすことができるでしょう。そしてまた,ある状況の下では,小規模な地熱資源であっても多くの地域における問題解決に貢献できるし,小規模地域の生活レベルの向上にも貢献が期待されます。

 Fredleifson (2003) の報告したデータは,他の再生可能エネルギーと比較した時の,地熱エネルギーの果たす役割について示唆を与えてくれます。1998年における世界の再生可能エネルギーによる総発電量は2826TWhであり,その内訳は,水力92%,バイオマス5.5%,地熱1.6%,風力0.6%,太陽0.05%,潮力0.02%です。直接利用では利用されたエネルギーの93%がバイオマス,そして地熱5%,太陽熱2%となっています。