地熱とは

私たち地熱学会は、地熱発電所や熱利用のための地熱資源の探査やその利用法について、学術講演会や学会誌などを通して議論しています。

地熱エネルギーを発電に利用する

歴史と現状

1904年のイタリア・ラルデレロにおいて世界の地熱発電の歴史は始まりました。日本では、1919年に山内万寿治氏が大分で地熱利用のための噴気孔掘削に初めて成功し、 その後事業を引き継いだ、太刀川平治博士が1925年に日本最初の地熱発電(出力1.12kW)に成功しました。

以来、国内の各方面で実用化に向け研究開発を重ね、1966年、日本で最初の本格的地熱発電所として蒸気卓越型の松川地熱発電所が、 また翌年には、熱水分離型の大岳発電所が運転を開始しました。現在(2003年)では、東北、九州地域を中心に地熱開発が進み、 18地点20プラント(出力535.25MW)の設備があり、着実に運転を続けています。

世界に目を向けると、火山地帯の国を中心に合計で約8500MWの設備があります(世界の地熱発電ランク)。 アメリカ、フィリピン、イタリア・・という順で、日本は6位です。そして、フィリピン、アイスランドなどでは発電の15%以上を地熱でまかなっています。

地熱発電のしくみ

火山や天然の噴気孔、温泉、変質岩などがある地域(地熱地帯)では、深さ数kmの比較的浅いところに1千度前後のマグマ溜りがあります。 そして地中に浸透した雨水などがマグマ溜りによって加熱されて、地熱貯留層を形成することがあります。 このような地点に貯えられた熱(蒸気)を直接、エネルギー源として利用するのが地熱発電なのです。

地熱貯留層をどうやって調べる

地熱貯留層がある地域では、熱水のため岩石が変質しやすく、岩石の電気抵抗が低く密度が小さい、微小地震が発生しやすいなどの特徴があります。 これらの性質を調べる方法を物理探査といいます。また、地熱発電にあたっては、熱水の温度や化学成分などを調べる 地化学探査が必要です。この探査方法の開発や得られたデータの解析については、 地熱学会において現場技術者や大学等の研究者などの間で議論され、さらなる技術開発に生かされます。

地熱発電(利用)の特徴

地熱エネルギーは、燃料が不要、輸入に頼らずにすむとともに、二酸化炭素の排出が少ないクリーンエネルギーであることがあげられます。さらに、他の自然エネルギー(風力、太陽)に比べ、天候に依存しないため、格段に安定した供給が可能です。

地熱エネルギーの熱を利用する

発電だけでなく、地下の熱を直接利用することも広く行われています。 温泉もそうですが、温室、プール、融雪など様々な利用法があります。また、最近では、地下浅いところと地表との温度差を利用した冷暖房、 すなわち地中熱の利用も進んでいます。

付録:専門用語集